色彩検定UC級とは?合格したデザイナーが解説するメリット!

色彩検定UC級とは?合格したデザイナーが解説するメリット!

色彩に関する知識を証明する「色彩検定」は、ファッション・インテリア・Webデザインなど幅広い分野で役立つ資格として知られています。
中でも色彩検定UC級(ユニバーサルカラー級)は、色の見え方に配慮したアクセシビリティに特化した資格です。

特にWebや広告、公共施設では、色覚特性を考慮したデザインが求められています。UC級は「色覚の多様性に配慮した、誰もが見やすい色使い」を証明でき、デザイナーにとって実践的な武器になる資格です。

この記事では、色彩検定UC級に合格したデザイナーが、試験のポイントや仕事でのメリットや役立つシーンを具体例とともにお伝えします。

色彩検定とは?

色彩検定は、色に関する理論や実践的な知識を問う、文部科学省後援の公的資格です。色の基本から配色技法、実務での色の使い方まで幅広く学べるため、デザイン・教育・販売など多くの業界で役立ちます。

試験は難易度別に複数の級に分かれており、基礎から専門知識まで段階的に学習可能です。特にUC級(ユニバーサルカラー級)は、色覚特性に配慮したデザインを学ぶことに特化しており、近年注目を集めています。

「色覚特性」って何?

色覚特性とは、人によって色の感じ方が異なる特性のことを指します。多くの人は「赤・緑・青」の3つの光が目に入り、そこから色を認識して見分けることができます。
しかし、色覚特性を持つ方はこの光の認識が一部異なり、特定の色が区別しにくくなります。

例えば、以下のような見え方の違いがあります

  • 赤と緑が似た色に見える
  • 淡い色の違いが分かりにくい

色覚特性を持つ人は全国で300万人以上、日本では男性の約20人に1人、女性の約500人に1人と言われ、決して珍しいものではありません。

重要なのは、「色が見えない」のではなく、「色の見え方が違う」という点です。
色彩検定UC級では、こうした多様な色の感じ方を理解し、誰にとっても見やすく、伝わりやすいデザインを考える力を養います。

色彩検定UC級の概要

  • 正式名称文部科学省後援 色彩検定UC級
  • 試験形式:マークシート方式(CBT試験なし)
  • 試験時間:60分
  • 合格基準:200点満点の160点前後(変動有り)
  • 受験料:6,000円(税込)
  • 受験資格:誰でも受験可能(年齢・学歴不問)
  • 併願受検:可能

2025年の色彩検定UC級の日程

申し込みは試験の約2〜3ヶ月前から開始されます。2025年は夏季が4月1日(火) 、冬季が8月4日(月) から申し込みがスタートします。実施の最新情報は色彩検定協会公式サイトで確認しましょう。

2025年度 色彩検定夏期検定冬期検定
試験実施級2級・3級・UC級1級・2級・3級・UC級
試験日2025年6月22日(日)全級 :2025年11月9日(日)
1級2次:2025年12月14日(日)
申込期間2025年4月1日(火) ~ 2025年5月15日(木)2025年8月4日(月) ~ 2025年10月2日(木)

色彩検定UC級に合格するメリットは?

色彩検定UC級に合格すると「UCアドバイザー」として資格証が発行されます。
専門アドバイザーとして論理的な解決方法を提案できるのが最大のメリットです。履歴書にも記載ができる資格なので、デザイナーのスキルアップや転職などでも有利な資格となります。

色はどんな場面でもかかわってくるため、デザインだけでなく日常生活でも約立つシーンが多いです。一度身に着ければ、多くのシーンで知識を活用していける資格です。

合格までにかかった時間、勉強方法

時間
筆者は合格までに約2ヶ月間で60~70時間、1日平均で2時間の勉強で合格しました。

勉強方法
毎日の生活の合間や移動中などで勉強できるように「ながら時間」を活用して試験対策をしました。

公式YouTubeチャンネル「教えて!色彩先生 UC」は、色彩検定が初めての人にもわかりやすい教材だったため活用しました。1話ごとが数十分単位で見れるため「家事をしながら」「移動しながら」の「ながら時間」の勉強にオススメです。
また、動画とあわせて公式テキストや過去の試験問題を解きながら試験対策をしました。

色彩検定UC級の受験にオススメな職業

Webデザイナー

デジタルの世界では、デバイスや個人の色の感じ方によって、同じデザインでも見え方が異なります。
特に、視力が弱い方や色覚特性を持つ方にとって、見やすく理解しやすいデザインは大きな助けになります。

「いつも見ているサイトが見づらい」と感じる方が、UC級の知識を活かした設計によって使いやすくなる瞬間を作り出せるのです。

具体例:

  • 色だけでなく形でも伝えるバナーを作成し、色覚特性がある方にも正確に訴求
  • スマートフォンのナイトモードで色が潰れない配色設計
  • エラー表示を色だけに頼らず、「✕アイコン+赤色」で誰にでもわかる工夫

グラフィックデザイナー

色選びのイメージ画像

パッケージデザインや広告では、年齢や視力、色覚特性を問わず、多くの人に届くデザインが求められます。

あるシニアユーザーが「パッケージの注意書きが読めるようになった」と喜ぶ瞬間を生み出せるのも、UC級の知識があるからこそです。

具体例:

  • シニア向け商品で、小さな文字を避けつつ識別しやすい色使いを実践
  • 食品ラベルでアレルギー表示を色+太字で明確にし、視力が弱い方にも安心を提供
  • 公共ポスターで、色覚特性に左右されない配色を用い、情報を確実に伝達

商品企画・マーケティング担当者

ボタンを選択する男性の指

商品や広告の色選びひとつで、伝えたい情報が届かない人がいることを理解し、解決できる方法を導き出せます。

また色彩検定では色の心理効果を学べるため、論理的な戦略設計にも活かせます。

ECサイトの購入ボタンの色を変えた事で売上を上げた、というケースもあります。

具体例:

  • 高齢者向け家電で操作ボタンに識別しやすい色を使用し、誰もが直感的に使える設計
  • キャンペーン広告で色覚特性に配慮し、背景と文字のコントラストを強化して、情報を確実に届ける

教育・福祉・医療関係者

学校や医療現場では、色を適切に使うことで、理解度を上げたり、不安を減らしたりすることができます。

具体例:

  • 病院の案内表示で、色だけに頼らずアイコンを併用し、誰もが迷わず移動できる工夫
  • 特別支援教育の現場で、色の識別が難しい子ども向けに、形と色を組み合わせた教材を提供

視力や色覚特性の違いを意識し、「困っていたことが解決できた」と感じる人を増やせます。

仕事でのメリット

アクセシビリティ対応が強化できる

近年、公共機関やECサイトではWebアクセシビリティ基準(JIS X 8341-3)が強化され、公共機関や企業サイトでも対応が求められています。UC級を取得することで、色覚多様性を考慮したデザインに必要な理論と実践を学べ、業務に即活かせます。

具体例:

  • 自治体サイトで、色覚特性に配慮した図表を導入し、情報の理解度を向上
  • オンラインショップで色だけに頼らない視認性を高め、購入率向上に貢献

「この色が見えない人もいる」という視点を持つことで、UX(ユーザーエクスペリエンス)向上を求める企業において、専門的な視点で貢献できます。

デザインに根拠が持てる

色彩検定UC級では色のもつ色彩心理や文化についても出題されます。感覚だけでなく、科学的なデータと心理効果に裏付けされた説得力のあるデザインができるようになります。

具体例:

  • クライアントに「なぜこの色が必要か」をデータに基づいて説明
  • アクセシビリティガイドラインに沿ったデザインを提案し、案件獲得の強みになる

ユーザー層に応じた色彩戦略の策定をすることで、誰かの役に立つデザインを確信を持って作れます。

公共デザイン・アドバイザー資格を活かせる

UC級取得後は、公共空間や自治体で求められるカラーバリアフリー対応に強くなります。駅の案内板や道路標識、医療機関のサイン計画において、アクセシビリティ対応が求められる場面で活躍できます。年齢や色覚特性にかかわらず、より多くの人に届くデザインを実現できます。

具体例:

  • 鉄道の案内板で、色弱者にも認識できるカラーコードを提案
  • 行政施策で、バリアフリーを推進する色彩計画を提案
  • 高齢者でも読みやすいコントラスト比の調整

色彩検定UC級は色で人を助ける力を証明できる

色彩検定UC級は、誰かの困りごとを色で解決できる力を証明する資格です。

「この色は見やすくなった」「理解しやすくなった」という喜びを生むデザインを目指すなら、UC級は実践的な武器になります。あなたのデザインが、誰かの日常をサポートできるかもしれません。

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