Webサイトのアクセシビリティ対応の重要性と実践ポイント

Webサイトのアクセシビリティ対応の重要性と実践ポイント

Webデザインのアクセシビリティとは、誰もが快適にWebサイトを利用できるようにすることです。

日本でも高齢化や多様なユーザーへの対応が求められ、企業サイトにとって重要なポイントになっています。アクセシビリティ対応をすることで、より多くの人に情報を届け、ユーザー満足度や信頼性の向上につながります。

この記事では、アクセシビリティの大切さと、実践に役立つ具体的な対策をわかりやすく紹介します。

なぜWebデザインにアクセシビリティが必要なのか?

Webサイトは多くの人が利用するものですが、年齢や障害の有無、使用環境によってはアクセスしにくい場合があります。アクセシビリティに配慮することで、誰もが快適に情報を得られるだけでなく、使いやすさが向上し、企業やサービスの信頼性にもつながります。

アクセシビリティが必要な具体的な理由を3つご紹介します。

ユーザー層の多様化に対応するため

視覚・聴覚に制限のあるユーザーや、高齢者・外国語話者など、Webサイトを利用する人の背景は多様です。日本における65歳以上の高齢者人口の割合は、2025年には約30.3%に達すると予測されています。  

また、世界の視覚および聴覚障害を持つ人々の割合に関しては、視覚障害者は約22億人、難聴者は約15億人と報告されています。

アクセシビリティ対応は、こうした多様なユーザーを取りこぼさないために不可欠です。

法的要件への対応

日本では、2024年4月に「障害者差別解消法」が改正され、企業にもアクセシビリティ対応が義務化されています。

違反リスク

  • 一部の自治体では、公的機関に準拠した基準(JIS X 8341-3)を求めるケースも増加
  • 未対応による企業イメージ低下や法的リスクが生じる可能性

ユーザー体験(UX)の向上

アクセシビリティ対応は、障害の有無にかかわらず、すべてのユーザーにとっての使いやすさを改善します。

具体的なメリット

  • 音声読み上げ対応 → 通勤中のハンズフリー閲覧にも有効
  • コントラスト調整 → 屋外での視認性向上

アクセシビリティ対応の具体的な実践ポイント

アクセシビリティ対応を実践することで、Webサイトを利用する多様なユーザーのニーズに応えられることが分かります。

では実際にどういった対応が推奨されるか、ポイントと合わせてご紹介します。

視覚障害者への対応

なぜ効果的なのか?

視覚障害者やスクリーンリーダーを利用する人にとって「クリックはこちら」のような曖昧な表現は内容が分かりにくく、文脈を把握しにくくなります。一方、「資料をダウンロードする」と明確に書くことで、リンク先の内容が一目で伝わり、すべてのユーザーにとって使いやすいWebサイトになります。

alt属性やテキストを設定し、内容を説明する

画面読み上げソフト(スクリーンリーダー)が画像の情報を伝えられるようになり、視覚的に情報を得られない人でも内容を理解できる。


×:「こちらから」 
○:「資料をダウンロードする」

×:「風景」
○:「東京タワーの写真」

色だけに頼らず、テキスト情報を併記

色覚多様性のあるユーザーや、モノクロ表示環境でも情報が正しく伝わる。


×:「赤は必須です」
○:「*が付いてる項目は必要です」

コントラスト比を4.5:1以上に設定(W3C推奨)

文字と背景のコントラストが低いと視認しづらいため、視力が弱い人でも読みやすくなる。


×:背景が緑、文字が薄緑
○:背景が緑、文字が白

単語の文字間に、折り返し位置の調整のためにスペースや改行などを用いない。

画面読み上げソフト(スクリーンリーダー)で読み上げ内容が変わらないようにすることで、情報が正しく伝わる。


×:東 京(ひがし_きょう)
○:東京(とうきょう)

聴覚障害者への対応

なぜ効果的なのか?

音声のみの説明では、聴覚障害のあるユーザーが内容を理解できません。字幕を追加することで、音声情報を文字で補完し、すべてのユーザーが等しくコンテンツを楽しめます。また、電車内など音を出せない環境でも、字幕があることで内容を把握しやすくなります。

音声コンテンツには字幕や文字起こしを提供

聴覚に障害がある人や、音を出せない環境のユーザーでも情報を理解できる。


×:動画説明のみ音声
○:動画に字幕を追加

重要な通知は視覚的なフィードバックを追加

→ アラート音や通知音だけでなく、画面上のメッセージやアニメーションを併用することで、音を聞き取れないユーザーにも伝わる。


×:アラート音だけ
○:アラート音と未読マークをつける

認知・学習障害者への対応

なぜ効果的なのか?

認知や学習に困難を抱えるユーザーは、長文や専門用語を理解するのに時間がかかることがあります。簡単な言葉に置き換えたり、補足説明を併用することで情報が伝わりやすくなります。

また、箇条書きや視覚的なガイドを加えることで、必要な情報を整理を助ける効果があります。

簡潔でわかりやすい文章を使用

難しい言葉や長い文章は理解しにくいため、誰でもすぐに内容を把握できるようにする。


×:「一つ目は簡潔にすることで、わかりやすくなります。二つ目は簡潔なメッセージは、多様なユーザーに届くメッセージになります。」
○:「簡潔にすることのメリット
①分かりやすくなる
②より多くの人に理解されやすいメッセージになる」

重要情報は箇条書きや表などで整理

情報を視覚的に整理することで、内容を素早く理解しやすくなる。


×:「郵便番号は220-0004、住所は神奈川県横浜市西区北幸二丁目10番地28むつみビル3階、営業時間は平日 10:00〜19:00、ただし土日祝、年末年始は除きます」
○:会社情報

郵便番号〒220-0004
住所神奈川県横浜市西区北幸二丁目10番地28むつみビル3階
営業時間平日 10:00〜19:00
休日土日祝、年末年始

操作手順を視覚的にガイド

アイコンやイラストを活用すると、直感的に操作しやすくなり、手順の理解を助けることができます。


×:「詳しくはHPをご確認ください」
○:「詳しくはHPをご確認ください ▶

キーボード操作への対応

なぜ効果的なのか?

マウスを使わず、キーボードのみでサイトを操作できるように設計します。

キーボード操作が必要なユーザー(視覚障害者、運動障害者、一時的にマウスが使えない人など)にとって、フォーカスインジケータがないと現在どこにいるのか分かりにくくなります。

また、フォーム送信をEnterキーで可能にすることで、マウスを使わなくても直感的に操作でき、より多くのユーザーがストレスなく利用できるようになります。

すべての要素にフォーカスインジケータを表示

キーボード操作時に現在どの要素が選択されているか視覚的に分かるようにし、操作性を向上させる。

フォーム送信はEnterキーで可能に

キーボードのみでの操作時に、スムーズにデータ入力や送信ができるようにする。

まとめ

アクセシビリティ対応は、すべてのユーザーにとっての使いやすさを確保し、企業イメージ向上や法的リスク回避にもつながります。

アクセシビリティを意識したWebデザインは、より多くのユーザーに価値を届け、企業の信頼性を高める重要なステップです。

引用

・今後の高齢者人口の見通しについて

令和4年度産業経済研究委託事業障害者を包摂したサステナブル・ビジネスの国内外の動向等調査

ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック


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